
Written on: 2026/03/31
私にとって初めての海外は、15歳の頃に行った2週間のアメリカだった。
あの頃は1ドル100円の為替相場で、「1ドルというのは100円というものなのか」と、浅はかながらもそれが不変のルールであるかのように考えていた。
滞在中は特に大きなハプニングが起きたわけでもなく、楽しかった記憶が多い。最初は人見知りしてホストファミリーと話すのが緊張したけれど、最後は美味しいものをたくさん一緒に食べられて、よかったなあと感じた気がする。
正直、意外とこんなもんかという感覚もあり、特に世界観が変わったというわけではなかった。それよりも、翌年には東京でオリンピックが開催されてたくさんの人が来るんだろうなということの方が気になっていたし、その頃には高校生になっているわけで、男女でサマーランドとか行けたらアツいな、なんて彼女いない歴=年齢の自分は思っていたりした。
ただ、5年前を今振り返ってみて思うのは、あの時不変だと思っていたことは意外とすぐに変わるということだ。また日本で会おうと話していたホストファミリーとは、コロナで会えなくなってしまった。ドル円の為替相場は1ドル160円に到達し、アメリカでものを買うことへの感覚も変わった。オリンピックは1年延期された上に無観客で開催され、サマーランドに一緒に行く彼女もいなかった。
それだけかという見方もできるかもしれない。けれど、このくらいしか言語化できないことの中にも、自分の体で感じた雰囲気のようなものがあって、その時の感情がどんなにちっぽけで表現が稚拙だとしても、散歩しているときにふと頭の中に降ろして考えることができるようになる――それが楽しい。
そして、それをどこかで振り返れるようにしたいと思ったのが、このサービスを作った原体験でもある。人がその時々に体験し、語ることは、その人の考え方や人生をかたちづくるものだと考えている。別に海外に行って世界観が変わる必要もなければ、何か大きなものに対してアンチテーゼを唱える必要もない。けれど、その人の生き方を象徴するような部分を表現できるような、ささやかな場を提供できたらなと思ってこのサービスを開発していたりする。

たしかこのあとハンバーガーを二つ食べた気がする。美味しかった。

故郷の山梨県と似ている風景。姉妹都市だからってそこまで似せる必要はないのに...